■フランス流に公園前へ出店 焼きたてのおいしさ召し上がれ。
−−お店はちょうど靱公園(大阪市西区)の南側にあるので、パンを買ったら、思わずそこで食べてしまいたくなりますね
竹内 そうなんです。それがこの場所を選んだ理由なんです。
−−やっぱり
竹内 独立する前に、1カ月ほどフランスに行きました。そのとき、公園前のパン屋さんにすごい行列ができていて、その人たちはみんな公園で食べていたんです。そこでぼくも行列に並んでパンを買い、公園で食べてみたら、ほんとにおいしくて感動して。
−−聞いているだけでもおいしそう
竹内 パンって、焼きたてのおいしい時間がほんとに短いんです。そのときに食べてもらいたいから、目の前が公園というのは実にいいんです。
−−わかります。私は焼きたての熱々のパンに出合うと、我慢できなくて、店を出るなり、こっそりとかぶりつくことがあります
竹内 帰国して公園の周りの物件をあちこち見て回りました。この辺りの雰囲気が一番、イメージにあっていたのですが、空きがなくて、とりあえず妥協してちょっと公園から離れた場所に借りました。その後、こちらの場所が空いたので、移ってきました。
−−オープン当初からすぐに軌道に乗ったのですか?
竹内 いえ。今でこそ公園の周りには店が増えましたが、当時は、何にもなくて。ここはビジネス街の端っこだし、土曜日は人もいない。お客さんが来てくれたのは平日の昼ぐらいでした。それが「大阪では売れない」といわれていた、ハード系の硬い食事パンを増やしていったところ、売れるようになりました。
−−でもここは大阪のど真ん中。理想としたフランスのようにはいかないこともあったでしょう?
竹内 最初のころはずいぶんお客さんに怒られました。クレームばかりで。
−−クレーム?
竹内 「フランスパン買ったけど、次の日になったら食べられへんわ。がちがちでバットみたいやで」とか。
−−まあ、そんな。しかし言いえて妙ですね。さすが大阪人
竹内 フランスパンは1日たつと硬くなるんです。でもそういうことからきちんと説明しました。硬くなったらパン粉にしたり、オープンサンドにもできます。そのうちに、食べ方を提案したいと思い、店舗の3階にカフェをオープンしました。
−−オープンキッチンだからお客さんも気軽に声をかけますよね
竹内 お客さんにすべてを見てもらいたくて、あえてこういうつくりにしたのですが、距離が近いので、スタッフは全員作りながら、お客さんに質問されれば、説明しています。
−−正直言って、ちょっと手間がかかりますね
竹内 お客さんに直接、説明しながら売りたい、という気持ちは、最初から強かったんです。フランスでは、後ろでたくさん人が並んでいようがなんだろうが、話し込みがら、パンを買う。ときには10分ぐらい。
−−ちょっと迷惑ですね。いらちの私、余計なことを言ってしまいそう…
竹内 でもそういうのがいいなあ、とずっと思っていました。特にぼくのところみたいな、変わったパンが多いと、説明しなくちゃ、分かってもらえませんものね。(聞き手 岸本佳子)
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